カバンの中を探してるのに、
「それだけ」どうしても
手に触れない現象。

ほら、今これ読んでるあなたも、
一度や二度じゃないでしょ。

今日はね、私もやりました。
家の前で鍵を探す、あの儀式。

ドアの前で立ち止まって、
カバンに手を突っ込む。

「いない」

もう一回。

「まだいない」

ポケットも全部確認。

「……ない」

その時点でね、
もう心の中は半分あきらめ。
ああ今日もか、って。

でも不思議なもので、
力を抜いた瞬間なのよ。

もう一度、何の気なしに
手を入れたら、
そこに“普通の顔”で
いらっしゃった。

さっきまで透明人間だったくせに。

あの瞬間、
思わず笑っちゃったわ。

何なの、
この存在感ゼロのスター。

堂々と居座ってたくせに、
探してる時だけ気配消すの、
なかなかの女優よ。

でね、ふと思ったの。

こういうことが起きる日って、
だいたい頭の中がパンパンな時。

考え事が多かったり、
気を配ることが重なってたり、
ちゃんと生きてる日なのよ。

最近の私もそう。

小さな決断、
大きな気遣い、
全部一人で抱えてた。

そりゃ鍵の存在感も
薄くなるわよね。

だからこれはね、
ドジでも衰えでもない。

ただ
「今日も忙しく生きてた」
それだけの話。

鍵を見つけた瞬間の、
あのホッとする感じ。

あれ、小さな勝利よ。

誰に褒められなくても、
ちゃんと一日を
乗り切った証拠。

もし今日、あなたも
探し物が見つからなかったら、
自分を責めないで。

「今、私よくやってるな」
そう思えばいいの。

さ、鍵も見つかったことだし。
今日はそれで十分。

また明日、
軽やかにいきましょ。