信号待ちになると、
なぜか
スマホが
手の中に
すべり込んでくる。

あれ、
心当たりある人、
正直に
手を挙げなさい。

「別に用はないんだけどね」って
顔しながら、
もう
画面見てるでしょ。

ええ、ええ、
分かるわ。
仲間よ。

今日の私も
そうだったの。

横断歩道で
立ち止まった瞬間、
反射みたいに
スマホを開いて、

特に
何を見るでもなく、
スッ…
スッ…って
指だけ
動かしてた。

誰かの投稿に
「いいね」押して、

ふと
顔を上げたら、
もう
信号は青。

完全に、
今じゃなくていいやつ。

その瞬間ね、
「あ、
私いま
“暇つぶし”してるんじゃないな」
って
思ったの。

情報が欲しいわけでも、
誰かと話したいわけでもない。

ただ、
世界と
ちゃんと
つながってるか、

一瞬
確認したかっただけ
なんだって。

画面の中は、
正直
どうでもいい内容ばかり。

でもね、
流れてくる文字や写真を
見てると、

「私は
ひとりじゃない」
「ちゃんと
世の中の中にいる」

そんな気がして、
ほんの少し
安心するのよね。

最近の自分を
振り返ってみると、

待ち時間があると
落ち着かない。

何もしていない
“空白”が、
ちょっと
怖い。

だから、
すぐ
埋めたくなる。
スマホで。

これ、
悪い癖とか、
中毒とか、

そんな
大げさな話じゃないわ。

ただね、
心が
少しだけ
手持ちぶさたなだけ。

忙しい毎日で、
ちゃんと
気を張って
生きてる証拠よ。

だから私は、
「やめなきゃ」
とも思わないし、

「また見ちゃった」

責めもしない。

見たかったんだね、
安心を。

それで
いいじゃない。

もし、
「ちょっと
情報多すぎかも」
って
思った日は、

移動中だけ
スマホを
バッグに
しまってみたらいい。

無理なら、
無理でいい。

信号は
ちゃんと
青になるし、

そのソワソワも、
案外
すぐ
静まるわ。

そしてまた、
「今日も
見ちゃったな」って
笑えたら、
それで
上出来。

みんな
何かしら、
ちょっとした
中毒を抱えて
生きてるの。

それも含めて、
人間って
可愛いのよ。

さて、
私は
次の信号待ち、
どうするかしらね。

まあ、
そのときの気分で。

人生なんて、
だいたい
そんなもんで
ちょうどいいのよ。